親が死ぬということ15 母からの電話

私にとって仕事始めの日、通勤電車でクタクタになって家に帰るやいきなり嫁が

「お母さんから電話があった」

電話口で泣きながら「お父さんに万が一のことがあったらどうしよう。ばあちゃんのことをよろしく頼むね」言われた。正直なところ実家から1000kmも離れたところからでは出来ることは限られるが、電話口では「はい」としか言いようが無いだろう。

年末年始、お見舞い客がたくさん来ていたようだ。懐かしい名前が連なっていた。これだけ見舞い客が来るとなると、母の耳に入るのも時間の問題だと思いながら実家を後にした。

狭い街の中、母の耳に入るには時間がかからなかった。このような電話があったということは、どこかの誰かから聞いたに違いない。正月帰省した時には、父は糖尿病で入院しているとだけ言っておいたが、きっと癌の話まで聞いた可能性が高い。

私が気に入らないのは、そこまで祖母のことを心配するならばなぜ離婚に踏み切ったのか?泣きながら電話してくるということは、そこに愛があったからではないのかと母に言いたくなる。母がどこまで先を考えて離婚に踏み切ったのか分からないが、祖母のことを心配するならば、そこまで考えていて欲しかった。

年をとって両親の離婚についていろいろ考えることがある。父の言う通り一言離婚を止めるべきだったのではないかと思う時が時々ある。ただ未だに正しい答えは分からない。