関東鉄道常総線全線で運転見合わせ—鬼怒川氾濫の影響
鬼怒川氾濫
お昼にニュースを見ていると「鬼怒川決壊」との文字が飛び込んできました。
位置を確認すると常総市の石下辺りでした。
常総市に知り合いがいるので心配していましたが、夜無事が確認できました。
気になったのは関東鉄道常総線。
線路が水に浸っているとの情報もありましたが、「Yahoo!路線情報 運行情報」のメールがとんできていないのと、少なくとも取手駅と水海道駅間は汽車が動いるものと思っていました。
堤防の決壊は人災か?
帰りの電車の中でネットを見ていると「ソーラーパネル設置のため堤防を掘削 → 大雨で氾濫して大洪水発生」という情報がありました。
「民間事業者の太陽光発電事業により丘陵部が延長約150メートル、高さ2メートル程度掘削された」とのことで、特に違法性があるものではないとの。
5月定例会の議事録が公開 都市計画税/鬼怒川沿いの太陽光発電所
少なくともソーラーパネルらしきものがある辺りで堤防は決壊しているように見えます。
【追記1】元のニュースを探してみましたが、見つかりませんでした。
デマの可能性もありますのご注意を。
【追記2】
ソーラーパネル設置のため削られた自然堤防「一番危険な場所」も土のうだけ
2015年9月11日6時0分 スポーツ報知へリンク
どうやら堤防が低くなっていて、河川事務所も認識しており対応を取ろうとしていたようですね。
結局自然堤防の一部を削ったため
低くなったところから越水し
越水した水が堤防を削り
弱った部分が決壊した
という顛末ということか。
守谷駅乗り換えで???
久々に仕事が早く終わったので、早々に帰宅しました。
乗り換えで乗り換え口に行くと・・・いつもと雰囲気が違います。
時刻表が調整中となっています。
話を聞くと「鬼怒川氾濫の影響で線路が路冠水したため、全線で運転見合わせ」とのこと。
さらに「なお明日の運転の見込みは分かりません」と言っております。
なんてこった!
とりあえず今日はどうしたらいいのかい?
帰宅難民者のために守谷市の方で臨時の避難所が設けられていました。
歩いて帰るのも辛いので、結局嫁に車で迎えに来てもらいました。
守谷駅周辺迎えの車でごった返していました。
明日はどうなるの?
関東鉄道常総線のサイトを見ると
2015年9月10日 15時15分
常総線(全線)は、線路冠水のため、運転見合わせとなっております。
なお、線路設備等に多大な影響があり、当面運転を見合わせることもございます。
と書いています。
明日も運転見合わせる可能が高い雰囲気を漂わせています。
常総線を利用して通勤通学をしているので、運転見合わせの場合、
全員歩いて駅を目指すしかないかもしれません。
関東鉄道は自社でバスがあるので、最低限バスでの代替輸送をしてくれませんかねぇ?
決壊の続報
お昼の状況から一変して大惨事になっていることが分かりました。
これまで身近で川が氾濫したという経験がないので、川の氾濫がここまでひどいものとは考えていませんでした。
鬼怒川の東側に位置する小貝川も避難判断水位(レベル3)が当面続くとの情報も入っています。
状況が早く終息し、被害が最小限におさまることを祈るばかりです。
関東に来て「東日本大震災」「竜巻」「大雪」「ゲリラ豪雨」「ヒョウ」「川の決壊」と、西日本にいた時に体験できなかった様々な災害を目の当たりにし、身の引き締まる思いです。
【初回公開日時: 2015年9月10日 @ 21:19】
【追記2_9/11】
翌日(9/11)の状況
常総線は始発から終日全線で運休となりました。
情報を収集すると、「水海道車両基地」が冠水しているようで、車両は小高い守谷市、取手市に避難している模様です。
またバスについても同様に避難しているとのこと。
このことから水海道車両基地の水が引くことが、常総線一部復旧の条件だと思われます。
9/11午前中の水海道車両基地。
Google災害マップより
鬼怒川堤防140m流失、下の地盤えぐられる
YOMIURI ONLINEへリンク
気になるのは川からの流出がどうなっているか?
水位は下がってきているのかです。
ニュースを見る限りでは決壊した箇所からの流出はおさまっていました。
水位ですが下がっているようですが、朝方にかけては冠水箇所が増えている感じでした。
9/11AM上空写真
【追記3】
Googleが公開 氾濫した鬼怒川の様子
9/11午前中に撮影された上空からGoogleが撮影した写真です。
常総線バス代替運行
【追記4】
明日(9/12)から当面の間、取手駅、守谷間で代替バスが運行されることが、関東鉄道公式サイトで公開されています。
常総線運行状況のお知らせ 【更新時間 2015/09/11 20:30】
朝夜は取手駅(西口)守谷駅(西口)共に00分から30分おきに発車します。
日中は1時間おきとなってます。
常総線の利用者数から考えると朝夜共に乗れるのか不安なところもあります。
詳細は関鉄の公式サイトを見てください。
当分の間と書かれているので、復旧にはしばらく時間がかかりそうです。
グリーンスポーツセンター
【追記5_9/13】
通称グリスポのプールに行ったら駐車場にたくさんの緊急車両が止まっていました。
グリスポは鬼怒川の決壊災害による緊急消防救援隊の宿営地となっていました。
義援金
日本赤十字社茨城県支部と茨城県共同募金会で茨城県台風18号等災害義援金を募集しています。
茨城県台風18号等災害義援金の募集について
平成27年9月11日金曜日から平成27年11月30日月曜日
過去の決壊事例
私がこちらに転勤で来る時に「昔小貝川が氾濫したことがある」と聞いたことがあります。
そこで過去の事例について調べてみました。
遡ること29年前1986年8月6日に台風10号による豪雨で小貝川高須橋近くの堤防が決壊し竜ヶ崎市が冠水しました。
また上流の旧下館市(現下妻市)でも越水しの面積の4分の1を冠水させ、水海道まで達したようです。
(まとまった資料が見つからず、断片をつなぎあわせていますので間違いがあればご指摘ください)
鬼怒川・小貝川の洪水の歴史については下館河川事務所のサイトを参照ください。
当時の冠水箇所を「図4.4 鬼怒川・小貝川低地の地形と1986年氾濫域」でみましたが、場所は違うものの下流の冠水域は同じように見えます。
常総線バス代行 変更あり
常総線運行情報のお知らせ 【更新時間 2015/09/13 19:30】
常総線運行情報のお知らせが更新されました。
下妻駅~下館駅間 9月14日(月)より通常の3割程度の本数で運行を再開
バス代行輸送について 9月14日(月)より運行内容を変更
朝晩の時間間隔が30分から20分となり、日中は60分から30分となりました。
6時30分から8時の間を手厚くするか、つくばエクスプレスを挟んだ乗降車の多い区間のピストン輸送をしてくれるといいのですが・・・
おそらくつくばエクスプレス守谷駅に近い人は乗れない気がします。
【追記6_9/14】
常総線バス代行輸送所感
家族がそれぞれ通勤通学ででかけるので、それぞれにレポートしてもらいました。
最寄りの駅からは守谷行取手行共に乗れない、もしくは数人詰め込める程度ということなので、取手駅守谷駅を出る時もしくは数駅で満員バスになっていると思われます。
最寄りの駅ではに50人近くが並んでおり、隣の駅では2,30人程度と朝の通勤通学時間帯はパニックになっていました。
結局それぞれが間に合わないので、自転車や知り合いの車に相乗りさせていただき目的地へ行きました。
帰りはラッシュのピークを避けるために少し早めに会社をでました。
ちなみにラッシュを超えて帰ると代行のバスがない。
ラッシュのピーク前ということで満員ではありましたがバスに乗ることができました。
駅やバスで「いつになったら元に戻るのか」と質問しているおっちゃんが必ずいます。
係の人が言うには「水海道の司令所が冠水したので、そこが戻らないことには列車は走らされない」とのことでした。
【追記7_9/15】
9月16日(水)からの変更点
常総線運行情報のお知らせ 9月16日(水)より取手駅~守谷駅間で運行再開
守谷駅~水海道駅間にて代行バス運行開始【更新時間 2015/09/15 17:00】
取手駅~守谷駅間は通常の5割程度の本数で、運転を再開。
おおよそ25分間隔での運行となります。
朝晩のラッシュ時には4両編成で運行します。
通常は2両編成なので時間間隔が延びたとしても、代行バスほど混乱せずに運行できると思います。
守谷駅~水海道駅間はバス代行輸送の運行を開始
朝晩のラッシュ時には20分間隔で運行します。
取手守谷間は想定したよりも早目の再開となりました。
水海道までが復旧すれば、元通りのダイヤに戻るのではないかと密かに思ってます。
【追記9_9/17】
守谷水海道間運行再開
9/18より取手守谷間に加えて、守谷水海道間も運行再開となり、取手水海道間の直通運転が再開されます。
通常の5割程度の本数ということで、ん?という感じがありながら特別ダイヤを見ると、取手守谷間は9/16から開始された特別ダイヤとの変化はありませんでした。
おそらく最初から取手水海道間のダイヤを組んでいたんだろうなぁっと推測。
朝晩の4両編成運転も続行されます。
水海道下妻間の線路の損傷が激しいようで、もうしばらく時間がかかりそうです。
【追記10_9/23】
ほぼ通常運行を開始
常総線運行情報のお知らせ 9月24日(木)より、取手駅~水海道駅間でほぼ通常運行開始
【更新時間 2015/09/23 12:00】
取手駅~水海道駅間の運行システム復旧完了のため、9月24日(木)より、同区間において、ほぼ通常運行を開始いたします。
なお、水海道駅~下妻駅間につきましては、10月下旬の運行再開を目指しており、一日でも早い復旧に鋭意努めてまいります。
【追記10_9/26】
発生からわずか8日後に常総線再開昭和の教訓生かす
産経ニュースに当時の関東鉄道常総線の事が書かれていました。
前述した「昭和61年8月の小貝川の氾濫」のことが念頭にあり、車両基地から車両の移動を決断しました。
検査中などで動かすことのできなかった7両を除いて、車両基地などにあった46両を標高の高い、守谷駅、取手駅に避難させました。水海道車両基地は最大で1メートル以上浸水し運行システムは被害を受けました。
この話を見て微妙に感動しました。
この判断がなければほぼ通常運行できているところも、今のように運行できていない可能性もあるのです。
電車ではなく気動車ということで珍しがられ、茨城県ということで「赤字なんでそのうちなくなるんでしょ」なんて冗談交じりで言われます。
今回の件でいろいろと勉強しました。
確かに朝なんて満員列車にはなりません。
始めの頃は「こんなんじゃそのうちなくなるんじゃねぇ?」と思っていました。
普通の考え方だと運行間隔をあけて本数を減らしてコストを減らすと思うのですが、そうではなく人が多い時間帯には間隔を詰めて運行しています。
利用者から見ると非常に便利で助かる地域密着型の運行状況なのです。
25分間隔運行の時は、これだと1本遅れると遅刻だし正直不便だと感じました。
常総市へのふるさと納税(寄付)
常総市では「常総市へのふるさと納税(寄付)」を受け付けています。
水害被害のため御礼の品はありません。
ふるさと納税(寄付)は「選べる使い道」とういことで、市内の災害復旧に活用されます。
選べる使いみちというのは例えば
1 健やかで幸福を分かち合うための事業(保健・医療・福祉)
2 豊かな人間性を育むための事業(教育)
3 安全で安らぎのあるまちづくりための事業(交通・防災・環境など)
など8項目があります。
指定がない場合には「市長にお任せ」となります。
定期券・回数券の払い戻し等
関東鉄道のサイトを見ていると「鬼怒川堤防決壊による運休期間の定期券払戻・期間延長について」が掲載されていました。
お手持ちの定期券・回数券の区間に、運休区間が含まれている場合は、定期券の有効期間に合わせて運休日数分の払い戻しまたは期間延長をするとの案内です。
運休が決まって「苦労」した時には「クソ、金返せ!」と思いましたが、前述した関東鉄道の判断や今回の対応(代替バスは残念だでしたが・・・)、一部区間運行などのことを総合して考えると、「全力で列車を守って、早急に生活の足を復旧させたし、まっいっか」ということで、3人分5日間と微々たるもんですが復旧の費用としてお布施することにしました。
【追記11_9/30】
「関東鉄道 水海道車両基地 公開イベント」中止
「関東鉄道 水海道車両基地 公開イベント」中止のお知らせ
さて、平成27年11月3日(火・祝)、水海道車両基地で予定しておりました「関東鉄道水海道車両基地公開イベント」は、「平成27年9月関東・東北豪雨」の影響による鬼怒川堤防決壊により、当社の路線、施設などに甚大な被害が生じたため、中止とさせて頂きます。
残念ながら今年の水海道車両基地公開イベントは中止となりました。
毎年楽しみにしていただけに非常に残念ですが、状況が状況なだけに仕方ありません。
つくばエクスプレスまつりだけだと、ちょっと物足りなんだよなぁ・・・
【追記12_11/10】
全線開通 水海道~下妻間3割運行
常総線運行情報のお知らせ 10月10日(土)始発より、全線開通
水海道~下妻間、通常の3割程度の本数で運転再開
【更新時間 2015/10/08 16:30】
水海道駅~下妻駅間の運転を見合わせておりましたが、応急復旧工事が完了したため、10月10日(土)より、同区間において特別ダイヤ(通常の3割程度)で運行を再開されました。
列車の運行につきましては、取手駅~水海道駅間、水海道駅~下妻駅間、下妻駅~下館駅間の折り返しが基本となります。快速列車は運行してないので、10/10からのダイヤの確認が必要です。
3割運転といえども、かなり早い全線開通となりました。
がんばれ!常総線!
(了)
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