【群馬初上陸】無料バイキングで限界突破!世界遺産の静けさと「酷評ホテル」の真実を検証

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関東へ引っ越してきて早14年。
なぜかこれまで縁がなかった土地、それは群馬県でした。
そんな私を初めての群馬へ導いてくれたのは、もちろん「奥さん」です。

今回は、奥さんの「無料バイキングに行きたい!」という謎の熱意に引っ張られ、食の限界、世界遺産の重み、そして秘湯の真実を知る旅をしてきました。
笑いあり、衝撃の事実あり、そしてちょっぴり塩っぱいお湯に感動した、私と奥さんの群馬珍道中をどうぞご覧ください。

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コンニャクの王国「こんにゃくパーク」

旅のきっかけは、奥さんの「無料バイキング」

旅のきっかけは、奥さんの「こんにゃくパークに行って、お腹いっぱい食べたい!」という、なんとも明快な欲求でした。

私はてっきり、奥さんが「こういう戦略で攻めるわよ」と、グルメ情報や効率的な回り方など、綿密な計画を立てているものだと思っていました。

ところが、現地へ向かう途中で確認したところ、奥さんが仕入れていた情報はただ一つ。

「無料バイキング」のみ。

以上です。

まさかパーク内に足湯があるなんて、私自身も夢にも思わず、もちろんタオルは持参していません。
そして、お土産用の保冷袋の有無を聞くと、これまた「忘れた」とのこと。
曇天の下、「まあ、なるようになるわね」と、私は奥さんの無計画さを受け入れ、旅の楽しさは自分で見つけるという境地に達しました。
これぞ、旅の醍醐味、と勝手に納得しました。

夢の無料バイキングと「こんにゃくの壁」の恐怖

お目当ての無料バイキングは、平日の訪問でしたので閑散としていました。

「全部いただくわ!」と意気込みましたが、人間の胃袋には限度があり、一つのお皿にすべてを盛り付けるなんて到底不可能です。
しかし、こんにゃくラーメンは侮れません。
あれは、こんにゃくの皮を被った本格的なラーメンで、とても美味しかったですね。

その他の料理も、最初は「これがこんにゃくなの!?」と感動するんですが、あるラインを超えると、急に身体が拒否反応を示し始めるんです。
これが世に聞く「こんにゃくの壁」かもしれません。

終盤は、イチゴ、マンゴー、梅と美味しいこんにゃくゼリーでなんとかフィニッシュ。
ですが、満腹感は凄まじく、その日の晩ご飯は完全ギブアップとなりました。
ある意味、これほどダイエットに直結する食材はないのでは、と真剣に思いました。
お腹いっぱい食べて、結果的に夜ご飯を抜けるのですから。

【読者の皆さまへ:実践的なアドバイス】

足湯をご利用の方へ: 旅の疲れを癒す足湯は最高です。しかし、現地ではタオルは売っていません、必ず自前のタオルを持参してください。持っていないと、私のように指を咥えることになります。

バイキングの戦術: まずは少量を試食し、お気に入りのこんにゃくを見つけてから本格参戦することをお勧めします。最初に飛ばしすぎると、お腹が無駄に膨れて確実に晩御飯が食べられなくなります。

世界遺産の静かな佇まい「富岡製糸場」

こんにゃくで限界まで満たされたお腹を抱え、次なる目的地を検討。
「めんたいパーク」は以前茨城で訪問済みでしたし、興味もないものにわざわざ入場料を払うのもな…と、ケチな私が結論。
結果、これまで「絶対行かないだろう」と思っていた富岡製糸場へ向かうことになりました。

耳鳴りが響くほど閑散とした街歩き

せっかくなので街の中を歩きたいと思い、製糸場から離れた無料駐車場に車を止め、のんびりと歩きました。
道中は、人通りが少なく閑散としており、もっと言えば「シーン」とした音だけが響き渡っていました。
私の耳鳴りがいつもより大きく聞こえるくらい、雑音のない静かな町並みです。
多くの商店街はシャッターが降りていましたが、わずかに開いているお店からは、ご当地ならではの活気のある声が聞こえてきました。
まるで、この街の生命力が、建物の隙間からひっそりと漏れ出しているようで、それがまた旅情を誘いました。

近年見かけなくなったものや、こんなところでこんなお店がなど、楽しく歩けました。

140年の重みと、地域の雇用への感心

富岡製糸場に到着。

私、実は観光地が改修している姿を見るのが大好きなんです。
これまで姫路城の大改修や北海道庁赤れんが庁舎など、工事シートに描かれた完成図を眺めてきました。
その姿はその時期にしか見えない「限定の風景」ですから。

世界遺産として、これほど素晴らしい状態で保存されていることに、心から感動しました。
140年以上前に建てられたものが、創業時の姿をほぼそのまま残しているんですから、驚きです。

さらにすごいと感じたのは、場内で働いているスタッフの皆さんが、おそらく地元の高齢者の方々であることです。
歴史的な遺産が、観光地化され、地域の雇用を生み出す仕組みとして機能している。
これは、私のような捻くれた観光客も思わず「すごい」と唸ってしまう、素晴らしい循環だと思いました。

ただ、老朽化が激しい部分が散見されることや、訪問時はインバウンドの姿が少ないことに、今後の課題があるように感じました。しかし、それは「特に興味がない人の感想」として心に留めておきます。

帰りは銀座通りを通り、名物のカレーパンが気になりましたが、満腹の奥さんが「いらない」というので、すっぱりと諦めることができました。
奥さんの満腹度で私の食欲は左右されるようです。

秘湯(!?)の塩っぱさ「磯部温泉」と名物せんべいの温かい出会い

高額な草津を避け、辿り着いた「ホテル桜や」

「群馬=草津温泉」というイメージはありますが、宿代を見ると相場は1.5万円以上。「うーん、高い!」と、いつもの私が出現。
どこか温泉という名前に偽りのない、もう少しお手頃な宿はないかと探して見つけたのが、磯部温泉の「ホテル桜や」でした。

レビューを見ると、正直、笑えるくらいに酷いことが書かれています。
ゴキブリがいたとか、トイレに汚物が付いていたとか。
逆に「どんなものか見てやろう」という変な探求心に火がつき、「悪いところが分かっていれば、それはもう許容範囲」というポジティブなのか諦めなのか分からない精神で予約を入れました。

大手製菓いそべせんべいとの奇妙な攻防

旅館へ向かう前、名物の「大手製菓 いそべせんべい」さんへ。
お店に着くと暖簾は出ているのに、入口に南京錠がかかっています。
「まさかの休み?」と諦めかけ、車に戻ろうとした瞬間、遠くから「お買い物ですかー!」と声が聞こえ、反対側の建物から女性が勢いよく出てきました。

どうやらお店の方は不在で、インターホンで人を呼ぶシステムだったようですが、「宅急便の人が締めていった」とのこと。
工場の裏口からお店に案内され、おせんべいを3つ購入。
PayPayでスマートに決済を済ませました。
外に出ようとすると、女性から「これ、割れちゃったから」と、くずせんべいをいただきました。
大した買い物もしていないのに、申し訳ないと思いつつも、ありがたくいただきました。
こういう人との温かいやり取りが、旅の醍醐味ですよね。

ホテル桜や:レビューの真実と温泉の秘密

さて、いよいよ「ホテル桜や」にチェックイン。
酷評されていた「受付の男性の態度」ですが、全く悪くありませんでした。
むしろ声が大きく元気がいいので、人によっては「圧」を感じるかもしれませんが、ご高齢のお客さんが多いことを考えると、あれくらいハキハキしている方が親切だと思います。

部屋も、酷評されていたほどの汚さはなく、壁のひび割れと畳のシミくらいが気になる程度。
設備の完璧さを求めるならば、より高級な旅館を選択すべきでしょう。

近くにはコンビニがありません。
歩いて一番近いセブンイレブンまで行こうと、私も奥さんも最初は意気込んでいたんです。
しかし、富岡製糸場で想像以上に歩き回ってしまったため、私の足は「もう一歩も歩きたくない」とストライキ寸前。
結局、車で行くことにしました。

地図を見るとセブンイレブンが近そうに見えたのですが、そこを通り越して、なぜかその先にあるローソンと、ついでに山田うどんへ。
というのも、実は旅館からセブンイレブンへ向かう道は、かなりの上り坂だったんです!

もし歩いていたら、温泉に入る前に汗だくになっていたでしょう。
あの疲労度で上り坂を登らなくて済んだのは、まさに車を選択した私にとってのファインプレーでした。
歩いて行こうと考えている方は、道の傾斜にご注意くださいね。

【温泉で発見した真実】

温泉浴場は2つあり、朝に男女が入れ替わります。
野天岩風呂「樫の湯」の露天湯: しょっぱかったです。 これが、温泉に来た!という感動。
他の3つの浴槽: 熱いだけで、あまり温泉感がありませんでした。

公式サイトには「源泉がとても濃厚なため、加水・加温をすることで入浴しやすいように調整をさせていただいております」とあります。つまり、塩っぱい「樫の湯」の露天風呂こそが、源泉に一番近く、温泉感を味わえる場所だったわけです。

【磯部温泉駅周辺の現状】

おかげさまで、温泉で体が芯から温まり、普段は寝つきの悪い私も、睡眠薬なしでぐっすりと眠ることができました。
安くても、求める効果はしっかり得られたことに大満足です。

翌朝は、温泉効果で目覚めスッキリ。
情報収集も兼ねて、磯部駅まで散歩に出かけました。
「この寂れた感じが温泉街の醍醐味!」と奥さんと話しながら歩いたのですが、結果は事前に調べた情報通りでした。

コンビニはゼロ。歩いて行く場所ではないと再確認です。

食事ができそうなところは、駅前に食堂が1軒と、もう1軒の計2軒のみ。しかも1軒は昼間営業。
つまり、夜に「ちょっと小腹が空いたから…」とホテルからブラブラ歩いていけるような場所は、ほぼないという結論に至りました。

この「何もない」ことが、逆に磯部温泉の魅力であり、ゆったりとした時間を過ごすための条件なのかもしれません。
都会の便利さに慣れた私たちにとっては、なかなか衝撃的な現実でしたが、これもまた一興。
この情報を知っているだけで、読者の皆さんが宿泊する際の夜の計画(お酒や夜食の買い出しなど)に役立つはずです。

磯部駅までの散歩は、たしかに「温泉街っぽい」雰囲気で、古い建物や静かな時間が流れていました。
足湯を見つけたのですが、残念ながら早朝すぎたようで、まだお湯を張っている最中でした。
「もう少し遅ければ、朝から足湯巡りできたのにね」と、奥さんと少し名残惜しくなりました。

名残惜しい気持ちはありましたが、翌日は特にこれといって行く場所を決めていませんでした。そこで、「温泉でしっかり温まったし、このまま帰ろうか」と、朝早くから家路につくことにしました。

不思議なもので、行きよりも帰りの方が体感的に早く着いたように感じたんです。もちろん、実際の所要時間に大きな差はなかったのですが、旅の充実感と温泉効果で体が軽く感じられたからでしょうか。

今回の群馬旅行は、奥さんの「無料バイキング」という突飛な発想から始まりましたが、結果的に、世界遺産の重み、そして塩っぱい温泉という貴重な体験を得ることができました。これぞ旅の醍醐味ですね。

(了)

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