親が死ぬということ2 家族会議
家族会議といっても私の両親は離婚しているので、弟と二人での会議である。母には特に伝えない、父が母に言えといえば言うつもりだが、父母共にお互いに近況については全く伝えないようにしている。そういっても兄弟が父母の家を行き来するのでそれなりの情報漏えいはある。ちなみにトップシークレットの情報については、今回のように弟から連絡がある。
父との電話を切った後、早速弟に電話をかけて次回の出張の時に会う約束をした。今後のことを含めてどうするかをお互いに確認するためだ。
さてどこで話をするかだ。かしこまって話をする段階ではないのでどこか適当に気軽に話ができる所が良い。私は酒を飲まないが、弟はぼちぼちと酒を飲む。まぁ焼き鳥でいいんじゃないかいということで、弟の行きつけという店に行ったが満席だった。数件回ってやっと席の開いている店を見つけた。金曜の夜8時過ぎ、小倉の街そりゃ席の空いている店は少ないでしょうよ。2時間ほど居たかな、その間に確信に迫る話は出てこなかった。まだ父は元気だし、治療の見込みはあるのでお互いに話をしずらかったのかもしれない。
もしかしたら長男の私の方がいろいろと決めなければならなかったのかもしれないとあとで思ったが、それでも現段階ではなかなか死を感じた話をすべきではないと思い私からは話をしなかった。
会社関係者のお葬式に参列した時に「自分の親が死んだらどうなるんだろう」とよく考えていた。いやまだまだ先の話だしそんなに急いで考えることはないだろうと思っていた。親の寿命が目に見えた時、少し焦りというか真剣に考え始めなければならないと思うようになった。
一番の気がかりは父と暮らしを共にしている祖母のことである。父が亡くなると近親者弟と私の二人になってしまう。祖母を引き取っても構わないのだが、私は故郷から遠く離れたところに住んでいるので、祖母が移動してもいいとは言わないと思う。それに嫁がどう思うかだ。