親が死ぬということ23 聞きたくない着信

★☆★ 聞きたくない着信 ★☆★

朝早く携帯電話が鳴った。なんとなく覚悟はしていたもののドキッとする。いつもだと会社からの呼び出しの電話が多いので会社からの電話だといいなと思いながら電話を取るとそんなことはなく弟からの着信だった。

「わかっとるよね」

と弟の一言。わかってねぇと言いたいところだが

「わかった、帰る準備するわ」

この電話のあった未明に父が亡くなった。覚悟はしていたものの何から始めたらいいのか分からず混乱した。ひとまず通夜をいつやるのかを決めないとこちらのスタートが切れない。子供の学校や会社に連絡し通夜の日取りの連絡を待った。その間に最短時間で移動できる新幹線を予約した。この日は朝から雪が降っており、新幹線が遅れて到着をしていた。

通夜は当日、葬儀は翌日に決まった。バタバタと自宅に向かって出発した。

新幹線は大幅には遅れずに5分程度の遅れで到着し、通夜開式の1時間前に式場に到着した。本家の方々よりも早く到着したかったが、本家の方が先に到着していた。棺桶を覗くとそこには父がいた。狭い棺桶の中に父が寝ていた。それが事実なのだ。一番心配していた次男坊だが、死んだという認識はしているようだが、予想していた行動とは違いいつもの次男坊だった。

私が親元にないため、親の近くにいる弟が喪主を行った。私の到着まで弟がきっちりと仕切っていたので到着後バタバタすることがなかった。

会社関係の人の葬式に行くと、ほとんどが会社関係の人の時がある。一体誰の葬式なんだろうなと思う時が多々あった。父からは家族葬でと言われていたので、私の会社には家族葬で行う旨伝えていた。会社関係は一切出席していなく、電報やお花などもお断りしていた。式の時に花くらいはあった方がよかったかもと思った。私が無職のような気分になった。