一輪のバラ
庭に一輪のバラ。
嫁からバラっぽいものがあるとは聞いていた。
そのバラがやっと咲いた。
ピンク色だ。
一輪だけ咲いているので少し寂しい気もするが、それはそれで美しい。
雨が降り出した。
止んだので庭に出て見ると、少しうつむき加減になっている。
また、雨は降り始め、その雨は降り続く。
タバコをふかしに外に出る。
その度に、ピンク色のバラが目に付く。
うつむき加減が、だんだんと激しくなっている。
倒れるのではないだろうか?
雨に打たれ、うなだれていくバラを見ていると、だんだん辛くなる。
自分にかぶせて見てしまう。
雨は降り続く、それでもピンク色のバラは耐えている。
人生そんなもんだろうな。
打たれても、耐え続けなければならないだよな。
この雨は、いつ止むのだろうか?
PENTAX K10D + TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1